学長室ブログ

 Back Number

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 「学長短信」は、牟田泰三前学長が始めたもので、福山大学の大学運営
を、どのような考えに立って、どのような方針で進めているのか、などに
ついて、学長から教職員の皆さんに伝えるために、メールで届けているも
のです。
 「学長短信」は、学内の皆さんに読んで頂くだけでなくて、大学外の方
々にもこれを読んで頂いて、福山大学のことをより多く知って頂きたいと
思います。そこで、前学長のものも含め、「学長短信」のバックナンバー
を全て福山大学ホームページにアップすることにしました。
 学外の皆さんにも、是非この機会に読んで頂きたいと思います。
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====Fukuyama University==================Mail from President=

 ☆ 学長短信 ☆ No.51    2014/4/3 福山大学

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夢を目標に変えて、アクティブに学ぼう!

福山大学学長 松田文子

 今日は入学式でした。満開の桜並木と暖かい日差しのあふれるキャンパスでの
入学式となりました。新入生に期待を込めて、次のような告辞を述べました。

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 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。ようこそ福山大学においでく
ださいました。福山大学教職員一同、そして在校生一同、新しい仲間を迎えるこ
とが出来たことをこころから喜び、こころから歓迎します。また、ご臨席のご家
族の皆様には、ここまで育て、そして福山大学へと、物心両面でご支援いただき
ましたこと、こころより感謝申し上げます。新入生とそのご家族の皆様のご期待
に十二分に応えて、これから卒業までの期間、新入生の皆さんの広範な人間形成
に向け、教職員一同全力を挙げて取り組む所存です。ご家族の皆様には、引き続
いての物心両面でのご支援を、よろしくお願いいたします。
 福山大学は、今年創立39年目を迎えます。卒業生総数は約3万3000人で、その中
から備後地域を中心に、地域のリーダーや中核となる人材を次々と輩出していま
す。創設者による建学の精神は、「学問のみに偏重するのではなく、真理を愛
し、道理を実践する知行合一の教育によって、人間性を尊重し、調和的な全人格
陶冶を目指す全人教育」ですが、この精神は、5学部14学科、4研究科13専攻を擁
する、人文社会系、理工系、医療系のそろった中国地方有数の私立総合大学と
なった今日まで、脈々と続き、私ども教職員が行う教育支援の中心的理念となっ
て受け継がれています。
 さて、皆さんは大学というところにどのようなイメージを持っておられます
か。大学、とりわけ大学教育は、ここ数年大きく変わりつつあります。それは、
社会の変化があり、そしてそれゆえに社会が大学卒業生に期待するものに変化が
あるからです。社会は大きく変わっています。その一つはグローバル化です。あ
らゆる企業や自治体が世界と関わり、つながっています。次に、情報技術・情報通
信技術の急激な進歩です。コンピュータネットワークは、社会の存在形態そのも
のを大きく変えてきています。そして、三番目に、我が国が先進諸国の中でいち
早く、急速な人口減少を伴う少子超高齢化社会の入り口に来たことです。これら
の変化からは、正答のない、正答に至る解法の分からない大小の課題・難問が、
次々とはき出されてきます。
 このような社会情勢の下では、社会が大学教育に期待するもの、すなわち大学
生に身につけてほしいと期待する力も当然変わってきます。もちろん、専門の知
識・技能を身につけてほしい、これは変わりません。しかし、より一般的な、実践
的語学力、数理的リテラシー、情報リテラシー、コミュニケーション力、総合的
な問題解決力等は、専門にかかわらず身につけて、汎用力のある若者を育ててほ
しいというのが、今日の社会のニーズなのです。さらに、このような専門的ある
いは汎用的知識・技能だけでなく、自己管理力、チームワークやリーダーシップ、
あるいは倫理観、責任感といった態度までも身につけてほしい、というのも社会
の強いニーズです。
 ではこのような力は、どのような学び方をすれば身につくのでしょうか。教師
の説明をじっと聞き、出された問題を解き、答え合わせをする、というような小
学校以来なじみ深い方法だけでは、とても難しいということは分かるでしょう。
今、本学では、このような授業に代わってアクティブ・ラーニングと総称される授
業が増えてきています。「アクティブ」すなわち「学生自身が積極的に」、
「ラーニング」「学ぶ」、ということです。すなわち、教員が知っていることを
教える授業だけでなく、正しい答えが分からない課題に学生たちが立ち向かい、
解決方法を探して、自分たちなりの解決策を提案するという学びの形態です。し
たがって、授業中に少人数で話し合ったり、学生が前で発表したり、時には学生
だけでミーティングや作業を行い、先生は意見や助けを求められたときだけ表に
出てきたり、あるいは大学の外に出て調査や実体験をしたり、という授業が増え
てきています。また、実践的語学力は、座学の後で実際に留学して仕上げること
が可能です。中国、アメリカ、ヨーロッパに、協定校があります。
 またそのような学びを行いやすい教室や建物も増やしています。昨年の9月に竣
工した新しい工学部はその建物全体が、学科の区分を超え、研究室の垣根を越え
たプロジェクト方式で、人々が集い、知恵を出し合い、正答のない問題に小さく
てもよいので取り組み、協力して未知の物作りを行うなど、新しいアクティブ・
ラーニングの教育の理念の体現をもくろんだ作りになっています。この大学会館
の3階にも、アクティブ・ラーニング専用の、最新のICT機器のそろった、大変魅力
的な教室がありますし、1号館1階には、語学のアクティブ・ラーニング専用の教室
が二つ、昨年度末に完成し、皆さんを待っています。
 さて、私たちは、3.11.を体験した世代です。いまだに終息しない東日本大震災
と福島第一原発事故は,私たちの常識を大きく揺さぶりましたが,持続可能な社
会を形成していくには、そしてその中で人間らしく生きていくには、社会の一員
としての共同体感覚が不可欠であることを、明確に示し続けています。本学でア
クティブに学ぶ中で、仲間を作り、地域の人々と交わり、助けられ助ける経験を
かさねて、この共同体感覚を養っていきましょう。「学問のみに偏重するのでは
なく、真理を愛し、道理を実践する知行合一の教育によって、人間性を尊重し、
調和的な全人格陶冶を目指す全人教育」という建学の精神につながっていきま
す。

 最後に、皆さんは一人ひとり、夢を持ってこの大学に入学されたことと思いま
す。夢はいつか覚めます。覚めないようにするには、夢を具体的な目標にする必
要があります。そして、目標達成のための手段を考え、計画を立て、試行錯誤を
重ねながら実行していく必要があります。大学での学びを丸ごと、この目標実現
のためのアクティブ・ラーニングにしましょう。
 以上、私達教職員は、皆さんの夢の実現を惜しみなく支援することをお約束し
て、入学式告辞とします。